「ジャブを交わす」という慣用句がある様に
ジャブとは軽いパンチのことだと信じている人も多いだろう。
しかしジャブは右ストレートよりもっと恐ろしい武器だ。
ガード不能だからだ。ボクシングの構えをして欲しい。
左手が一番前に出ているだろう。
この位置から(もちろんテークバックなしで)非常に
強いパンチをまっすぐ前方に繰り出す。これがジャブだ。
ジャブの利点は明らかだ。相手との最前戦に浮かんでいる
拳がいきなり非常に強いパンチとして襲いかかり、
しかも打っている方の体は相手から遠くにあるので
安全なのである。つまり飛び道具だ。

ただし見ていると強いジャブが打てるかどうかは才能みたい。
非常に強い選手でもジャブと言っても左フック気味にしか
打てない選手が多い。ジャブと言えばすごかったのは
モハメッド・アリだ。華麗なフットワークを
使って安全圏内から繰り出されるジャブは芸術的だった。
試合が進むに連れタフな相手のヘビー級の選手がふらふらに
なり目が腫れ上がり視界が塞がれる。
(続く)

アリのジャブ

 

 

 

 

 

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