相撲で行う「手刀」について興味を持って色々調べていました。諸説ありますが、今回は以下の資料を参考にしました。
「33代 木村庄之助著」「力士の世界」(角川ソフィア文庫 平成27年11月25日 発行)に「手刀」についての説明がありましたので、抜粋して紹介します。
☆手刀について☆
力士が懸賞金を受取るときの作法です。行司が軍配に載せて差し出す懸賞を「手刀」を切って受け取ることになっています。指をぴったりつけて前に突きだし、懸賞に向かって左右中の順で切るのが正しい手刀の切り方です。昭和41年の7月場所から、手刀は規則で義務化されている。
手刀も神事に基づく作法とする説があり、
中は、天御中主神 (あめのみなかぬしのかみ)
右が、髙御産巣日神(たかみむすびのかみ)
左が、神産巣日神 (かみむすびのかみ)いずれも五穀豊穣を司る神様へ感謝に意を表したものだと言われています。
その説は、後付けですね。なぜなら私は、手刀を切り始めたのは昭和初期の大関、名寄岩関(元年寄、春日山親方)だと聞いているからです。その劇的な力士人生が、映画にもなっています。
名寄岩関の手刀は、何を表しているのでしょう。仲間の力士が「どうしてあんなことをするの」と聞いたら「心の字を書いている。ありがとうございますという感謝の気持ちを表したくて」と答えたそうです。
実にいい話ですね。昨今、角界が大きく揺れています。いつも目指すべき、品位・品格を考え、堂々たる生き方を期待したいものです。
上に記載の三神の一般的な説明
- 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)は、古事記の冒頭、天地創世、天地開闢神話の最初に登場する。髙御産巣日神、神産巣日神とともに造化三神と呼ばれ、天地の初めに成った三柱の神の筆頭です。高天原に配偶神をもたない独立神として成り、すぐに身を隠してしまう。
- 髙御産巣日神(たかみむすびのかみ)は、天孫降臨の司令塔となり、天孫神話に記述が見られる神聖な生成力の神です。
- 神産巣日神(かみむすびのかみ)は、生命の復活と再生をつかさどる地母神的な存在の神です。
合気道における三神の働きについて、大宮司朗著「開祖植芝盛平の合気道」(「技」と「言葉」に秘められた精神世界)柏書房㈱ 2005年3月25日発行。第三章「円かなる世界」に言及されています。
平成30年 睦月
大寒の頃
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