修練館道場長-渋谷力の思い

皆様ご存知と思いますが、儒教で教える、人が常に守るべきものとされる五つの徳「五常」について記述します。五常とは「仁・義・礼・智・信」を言います。読んで字のごとくですが、古流の武道の中で、その流派の切紙、目録などに「守るべき重要な教え」として記載されています。以下、代表的な例を引用・紹介します。

五常之徳

「秘伝日本柔術」松田隆智偏(昭和54年9月10日 第2印刷 ㈱新人物往来社発行)P.30~31より抜粋しました。

『竹内流必要歌』に、

「兵法の極意に仁義礼知信 たえずたしなみ気遣いをせよ

兵とは弓・槍・太刀等類、士卒取扱う所の噐是れ自然の業也。弓は射、槍は刺、太刀は切る。是を名づけて法と云う。夫れ兵法は衰へたる世の為なれば、内には文徳を治めて民を撫で、外には武備を修めて敵を防ぐ。されば武人身を殺して以て仁を為す事有り。然れば須臾(しゅゆ)も気を遣うべき也」とある

現在も竹内家では仁義礼智信を”五常之徳”として重んじ、武芸の修行を通じて人間性を高めることを本分としている。

五常之徳(『柔』竹内流顕彰会より)
仁:愛を体とし、善を用とす。即ち広く愛を他に及ぼすべし。然らば又与えられん。いつくしみ、情、あわれみ、思いやりなど徳の枢機(物事のかなめ)これ人の道なり心すべし。
義:公を体とし、条理を用とす。即ち自己の利害を顧りみず、世の為に事を進めるべし。人に負けて勝ち、己の邪心に勝をもって心とすべし。
礼:敬を体とし、規範を用とす。即ち神仏を敬い、人を尊び、礼節をきわめ、人の世の掟をまもるべし。
智:行を体とし、知を用とす。即ち知るは難く、行うも又易からず。新しきを知り、古きを重んぜよ。真理を知りて実践こそ尊しとすべし
信:誠実を体とし、信義を用とす。即ち天に順う者は存し、天に逆らう者は滅ぶ。誠を修め、人の世の信こそ真の価なり心すべし。

「体と用」につては、兵法家伝書 柳生宗矩著 渡辺誠・偏訳 「無刀の巻」
P.193~196の「大機大用」、「能に体・用のことを知るべし」等を参照して下さい。

 

竹内流は、創立以来からの伝承系統が明らかな流派であり、歴史上において、信頼できる最古の柔術流派である、と言われています。

平成29年 長月 彼岸明けの頃


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