修練館道場長-渋谷力の思い

 今回は、明日への話題に「人生での選択」川西剛(前東芝副社長)1996.6.19付の切取り記事があったのでこれを紹介します。以下、その内容です。

 昔の聖典に、行き先を知り得ぬ四つの道として「天にある鷲の道」「岩の上の蛇の道」「大海の中の船の道」「男が女に向かう道」があると書いてある。人生の旅は、明日への道がわからないことだらけである。わからないからといって、すべての道を経験しようとしても限りある生命、限りある知恵では不可能であるばかりでなく、一度安易な道に入り込むとたちまち虜となって、結局はきわめて狭い世界しか知り得ないことになる。
 つまり人生は一種の「賭け」であるといってもよいのではないか。しかし、大切な事で「賭ける」決心をする機会はそれほどたくさんあるわけではない。進学の際の専攻学科や職業の選択、人生の伴侶を選ぶ時などがそれに当たる事柄であり、事業家なら折々における経営の方向付けであろう。
 ただし、どんな優れた人でも選択した結果がうまくいくとは限らない。人生の成功者となるには、いかにして正しい選択をする確率を上げるか、そして失敗を次の選択に生かすかに尽きるだろう。
 企業が一つの選択をする場合、和を好み、コンセンサスを大事にするための会議や調査を繰り返すことが多い。が、実際は洞察力、決断こそが大事であることを忘れてはならない。
 徳川家康は「勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、害その身に及ぶ」と言っている。成功から学ぶことは容易にできても、失敗から学ぶことは難しいという。
 自分の失敗したことは早く忘れたいし、それを分析することなどなおさら気が進まないからである。
 カール・ヒルティは人生の「四福」として、確固たる人生観を持つこと、良き結婚をすること、よき仕事を持つこと、健康であること---をあげている。
 この「四福」を目指しての、若き日の選択はきわめて大切であるとともに、年をとってもまだまだ選択の機会はあるのである。

 この記事を読んだ時、大変心強い影響をうけた。当時はビジネスの最先端にいて、常にP・D・C・Aを回しており、判断、洞察、決定などを要求されていた。成功・失敗のどちらからも学んだが、やはり失敗から学んだことが多く、とても重く大切であったと思う。最大の学びは「失敗から逃げない」ことである。言葉は簡単だが気持ちは深く落ち込み、這い上がるのに後悔の連続と多くの苦労をしたことを思い出す。が今は楽しい経験としての良い思い出である。
「四福」という言葉がとても良い響きとして心に伝わった。この言葉を知ってから、結婚式の挨拶に度々使わせて頂いた。
 カール・ヒルティはスイス生まれの思想家。日本では「幸福論」等ある。政治家、法律家、文筆家でもある。

平成30年 葉月
山の日の頃



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